2025年問題から2040年問題へ
~高齢者医療と介護者の予防医療~
高度経済成長期に日本の成長を牽引し、我々の地域を創ってきた団塊世代の方々が75歳以上の後期高齢者となる2025年、「社会保障費の増大」「医療介護体制不足」「労働力不足の深刻化」が顕著になってくると言われています。しかしながら、現代日本の平均寿命は男性が81.09歳、女性が87.14歳であり、90歳まで生存する国民の割合は男性が26.0%、女性が50.1%(厚生労働省令和5年簡易生命表による)となっており、まだまだ、団塊世代の方々はお元気に過ごされております。中には生産年齢人口世代とかわらず就労されている団塊世代の先輩もおられます。団塊世代の方々が90歳を超える2040年に向けて超高齢化が進み、前述の問題が顕著化されることが予想されます。早期高齢者(65歳)となる団塊ジュニア世代の方々が、団塊世代の超高齢者を支える(介護する)こととなります。しかしながら、人口減少が進み、少子高齢化が深刻化している時代であり、介護者負担が増し、全ての超高齢者を支えることが不可能になっていると思われます。我々地域医療を担う医療者にできることは、高齢者医療の充実(老年医療、訪問診療、緩和ケアなど)はもちろんですが、高齢者を支える「働き手」とされる「生産年齢人口世代(working age population)」(介護者、ケアラー含)が、心身共に健康保持しながら働ける環境をつくっていくことが重要であると考えております。
なぜ在宅療養支援診療所(在宅診療所)ではない?
~一般外来と往診を~
2025年問題における高齢者医療で勧められている「在宅医療」は通院困難者が対象で契約制です。通院困難者が在宅診療所と契約することで初めて診療可能状態となります。自力で通院できる生産年齢人口世代(介護者、ケアラー含む)は在宅医療の対象外となってしまいます。当院が目指す「地域医療」とは、その地域に住むすべての住人が対象であります。在宅医療のみでは「地域医療」すべてを補うことができません。我々診療所は「一般外来」を主として対応させていただきます。ただ、かかりつけの患者様で通院困難となった場合は「往診*」いたします(近隣地域にお住まいの方)。通院困難となっても地域のかかりつけ医として、人生最後まで責任を持って、我が街、我が家でのゴールを目指しお手伝いをさせていただきます。私は、高齢者を含め、高齢者を支える「働き手世代」が、その地域で穏やかに・健やかに・楽しく過ごせるよう、医療面から支えていくことを確固たる信念とし、ここ荒町で『地域医療』を「まっとう」する所存でございます。
※訪問診療とは、契約制であり、定期的・計画的に訪問し診療を行うこと。
※往診とは、通院出来ない患者様の要請を受けて診療すること。
院長 佐瀬 友彦
2004年3月 | 岩手医科大学医学部卒業 医師免許取得 |
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2004年4月~2008年9月 | 東北労災病院 外科 |
2008年10月~2012年3月 | 東北大学病院 肝胆膵外科・胃腸外科(現・総合外科) |
2012年3月 | 東北大学大学院医学研究科医科学専攻卒業 博士(医学)取得 |
2012年4月〜2015年3月 | 帯広第一病院 外科 |
2015年4月〜2017年12月 | 大曲厚生医療センター 外科 |
2018年1月〜2020年10月 | 東北医科薬科大学 外科学第一(消化器外科学) |
2020年11月 | 在宅医 転身 |
2022年11月〜2023年6月 | やまと在宅診療所 登米 |
2023年7月〜2025年5月 | やまと在宅診療所 仙台北 院長 新規立ち上げ |